Power Automate DesktopでDataverseを要求される

Microsoftの自動化ツールPower Automate Desktopを試そうとしたけれど、つまづいたという話です。


Power Automate Desktop

しばらく前からPCの作業を自動化するRPAというツールが話題になっています。

職場にも入れてみたいと思っていましたが、どの製品を選ぶのかが厄介でした。下手な製品を選んで、シマンテックの様に買収されてとんでもないことになっても困ります。

買収されるならまだしも倒産されるとさらに困ったことになります。

Power Automate DesktopはMicrosoftが提供するRPAツールで、安心できます。

これを使えば、業務アプリとExcel等との連携も可能になるかもしれません。

早速試してみることにしました。


Dataverseデータベースを要求される

ところがセットアップを行い、Power Automate Desktop(以降PAD)を起動したところ、「Microsoft Dataverse データベースが見つかりません」と言われてしまいました。

調べてみるとPADでは作成したフロー(プログラムコード)をデータベースに保存するようです。今回の場合は法人アカウントで実行したので法人のMicrosoft 365サイトのデータベースを見に行ったけれど見つからなかったという意味のようです。

メッセージの「詳細情報」リンクをクリックするとデータベースの追加方法が書かれています。

Microsoft Dataverse データベースの追加

方法は二つあるらしく、「Power Platform管理センター」と「Power Apps」管理画面で作れるようです。

最初に書かれているPower Platform管理センターでデータベースを作ろうとすると、「Dynamics 365 アプリを有効にする」が「はい」にできません。

上記手順には「はい」を選択すると明示されています。

このメッセージの「詳細」リンクをクリックすると次のページに飛びます。

Power Platform 管理センターで環境の作成と管理をする

このページを読んでいくと「新しい環境を作成する際の注意事項」のところに、次の説明が書かれています。

Dynamics 365 アプリを有効にする決定は元に戻せません: 環境を作成したら、データベースのプロビジョニング時に Dynamics 365 アプリを有効にする アプリを選択しない場合、後でこの変更を行うことも、この環境に Dynamics 365 アプリをインストールすることもできません。

機械翻訳らしくおかしなところもありますが、要するに、ここで選んだ設定はあとから変更できないという事です。

Dynamics 365を調べるとMicrosoftのCRMサービスでした。Microsoft 365でいずれ顧客情報を管理したくなった時、Dynamics 365を使えなくなるのではないかという懸念があります。

新しい「環境」を作成してそちらで使うという回避もできるかもしれませんが、それだとPAD用の環境とDynamics用のデータベースが別になります。それが後々問題とならないとよいですが。

また、PADのデータベースは現在のところ既定のデータベースを利用するようなことがどこかに書いてありました。いずれDynamicsのデータベースを利用するとなった際には統合するのにフローのエクスポートインポートが必要になります。

これについてもどこかでまだ用意されていないと書かれていたような気がします。

2021/3/18 追記:アクションをコピペする事によって他のフローへ持って行けるようです。ただし、アクションの遅延時間までは持って行けないかもしれません。


回避策

回避策としては、以下のものが考えらえます。
  1. Microsoftアカウントを使う
  2. 別のMicrosoft 365アカウントを使う
  3. Dynamics 365を作れるアカウントを用意する
  4. Dynamics 365を使わない

どうやらMicrosoftアカウントを使うと、既に用意されているデータベースがあるらしく、データベースの作成を要求されないようです。いったいどこにどうやって保存されるのか気にはなりますが。(追記 OneDriveにファイル保存されるようです)

2つ目は別の試験用のアカウントを作る方法です。無料の試験アカウントを使うのも良いでしょう。

3つ目は正規のライセンスを用意してDynamics 365アプリを有効にする方法です。メッセージはリージョンの問題と書かれていますが、実際にはライセンスの問題なのではないかと思っています。

最後はそのままです。使わなければどうということはない、です。


実稼働環境でセットアップする場合には、もう少しよく動向を調べてから行うのが良さそうな気がしました。


Microsoftアカウントではすんなり開始

Microsoftアカウントで試したところすんなり開始できました。

MicrosoftアカウントでPower Automate Desktopを試す


Dataverse とは

2021/3/7追記

そもそもDataverseとはなんぞやということについてはこちらのページで良く解説されています。

Power PlatformのCommon Data Serviceを利用する10の理由

なるほど、データベースとストレージを一体化したサービスなんですね。SharePointを満足に利用できていない私としてはそちらとどう違うのか疑問があります。

こちらのページを読むと取り扱えるデータ件数も処理速度もDataverseの方が良いようです。

三島正裕のOffice365コラム「Common Data Serviceは如何でしょう?そろそろリストも限界ではないですか?」

SharePointでは件数が増えるとデータ欠落の可能性があるし、処理時間もDataverseは4割から6割程度で済むようです。

実際にPowerAppsアプリケーションを運用していると実感すると思いますが、十数名程度のユーザー数で毎日リストにデータを登録すれば、1年も経たずしてレコード制限を超えてしまいます。

ということなので、ちょっと規模が大きくなるのであればDataverseを使った方が良さそうです。ただし、小規模ならほぼ無償で使えるSharePointに対して、Dataverseで開発運用するとなると、結構な月額課金がされるようです。

Power Apps の価格

導入するには費用対効果の検証が必須です。単純に考えて月に数時間の時間短縮ができれば採用する価値はあることになります。実際には開発と運用の工数(コスト)も考慮しないといけませんが。


Webの表をExcelに取り込んでみる

2021/3/17追記

Webの表をExcelに取り込んでみました。

Power Automate Desktopでみずほの為替レートを自動取得


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