テントにタープは必要か? キャンプスタイルにもよるけれど必要です。

ネットで、キャンプにタープは必要かという記事を目にしたので、私も書いてみようかと思いました。

なお、この投稿でいうタープにはシェルターを含めていますし、テーブルやイスを使用可能な状態で収納できる大きな前室を持つ大型テントもシェルターとみなしています。


タープがいらない人

タープがいらないのは、本当にテントのみでキャンプが完結する方たちです。

次の二つの条件を満たす方たちは、タープなしでも良いでしょう。

  1. 雨が降ったらテントの中でご飯を食べればいい、荷物は全部テントや前室、もしくは車に素早くしまえる。

  2. 昼間は観光等でサイトにいない、もしくは管理棟など快適に過ごせる場所がある。

これらの条件を満たさない場合には大概はタープは必要でしょう。


雨が降ったらどうするの?

キャンプらしく、外でご飯を食べるつもりでいる場合、雨が降ったらどうするかは必ず考える必要があります。

以前、夕食時に雨が降り始め、隣のサイトの御家族は雨の中ご飯を食べていて悲惨でした。

また、雨の中の設営撤収もさえぎるものがないと大変です。機材まで濡れてしまいます。

天気予報は経験上あてになりません。特に山間部のキャンプ場は、なおさらあてになりません。雨の中撤収して下界に降りたら晴れていた、なんてこともありました。

逆に、良い天気で気持ちよく撤収してキャンプ場を後にしたら、直後に強い雨が降ってきた、なんて事もありました。次の動画は極端ですが、降るかどうかは運しだいのところはあります。

https://www.instagram.com/reel/CnqhPlhvwEB/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D


日差しが強ければどうするの?

キャンプ場は山間部にあって日差しが強かったり、木陰が全くないところもあります。

そんなときに快晴で強い日差しだと、熱中症になる可能性があるし、日焼けもします。

テントの中にいれば?と思うかもしれませんが、テントによっては中はサウナ状態で着替えるだけで汗びっしょりという事もあります。中で過ごすなどとんでもない場合があります。

昨日(3月)、知人が伊豆でキャンプをしていたところ、テント内の温度計は33度を記録していたそうです。


最低限オープンタープは必要

雨や日差しを避けるには、最低限オープンタープが必要です。オープンタープというのは、天井だけで壁がないタープの事です。

具体的には、ウィングタープ(ひし形)、ヘキサタープ(六角形)、レクタタープ(長方形)、スクウェアタープ(正方形)などが該当します。最近はウィングタープにサイドの布を追加したスノーピークのヘキサエヴォのような変形タープもあります。

次のタープは少し変形していますがヘキサタープです。

風が強かったためポールを短くしてロースタイルにした場合です。

レクタタープです。ポールを6本使用した場合で、オーソドックスなレクタの使い方です。広い視界による開放感があります。

翌日、雨が降ってきたため、ポールを2本だけにしてさらに下げ、ロースタイルにしました。ヘキサ的な使い方です。雨の吹込みを軽減できます。

北海道のツーリングキャンプで使った小型スクウェアタープ、DODのチーズタープSです。

7月でも朝は陽が差しやすいです(これは北海道です)

スクウェアタープは、レクタとしてもウィングタープとしても使えます。縦横を気にせずに済むため設営もしやすいです。

ただし、ポール方向からの雨の吹込みを考慮して、十分大きなサイズにする必要があります。上の写真のタープは小さすぎて雨の日に吹き込んでしまいました。


タープ(tarp) は tarpaulin の省略で米語です。tarpaulin は タールをコーティングした重い布カバーが語源のようです。つまり防水布という事になります。tarpaulin (n.)


オープンタープのメリット

オープンタープのメリットは次の通りです。

  1. 風が弱い時の雨を避けられる

  2. 日差しを避けることができる。

  3. 安い

  4. 見晴らしがよく気分爽快

  5. 設営、撤収が早い

  6. コンパクト

  7. 干すのも簡単

  8. デイキャンプにはうってつけ


1. 無風もしくは風が弱ければ、十分雨を防ぐことができます。オープンなので、雨の日の出入りが簡単なのもよい点です。

2. 日中の日差しを避けることができます。ただし生地に十分な遮光性が必要です。

3. オープンタープは比較的安価に入手可能です。

4. ほぼ360度の視界があるため、ザ・キャンプという感じで気分爽快です。吹き抜ける風も心地よいです。

5. 基本的に幕体と2本のポール、数本のロープとペグを打つだけなので、とても素早く設営撤収が可能です。

6. 収納時のサイズがコンパクトなのもメリットです。

7. 一枚布で量も少ないため干すのが比較的簡単です。

8. 手軽なので、デイキャンプにはうってつけでしょう。


オープンタープの欠点

長所があれば欠点もあります。

  1. 横殴りの雨に弱い

  2. 寒い

  3. 風に弱い

  4. 虫をブロックできない

  5. 濃霧に弱い

  6. 広い設営スペースが必要

  7. 建てるのにコツがいる

  8. 日差しに対しては限定的


1. 上から降るだけの雨ならなんとかなりますが、風を伴う雨、特に強風の場合には奥の方まで吹き込む場合があります。容赦なくタープ内に雨が吹き込んでくるため、食事どころではありません。

上の写真ではロースタイルにして雨をしのいでいますが、吹き込んでくるため、機材を置けるスペースも限られます。吹き込みを考慮した十分なサイズが必要です。

以前、レクタの両サイドを直接地面にペグダウンして、片方のポール側に背の高いテントを配置して、シェルター的な使い方をしている方がいました。あそこまですればかなり雨風を避けることができるのかもしれません。

2. 寒い季節に風が吹くとたまらんものがあります。キャンプの教科書にはよく風上側をペグダウンして、とか書いてありますが、実際にやってみればわかりますが、そんなものほとんど役に立ちません。寒いことに変わりはありません。キャンプ中に風の向きが変わることもあります。

3. ポールとロープが少なく、幕体が広いため、風にあおられやすいです。以前荒船山で暴風雨に遭遇したときも、よそ様のオープンタープは軒並み倒してありました。

4. 壁が全くないので昆虫天国です。蚊やアブなど刺す虫はもちろん、時にはスズメバチなど危険な虫もやってきます。ブユと思われるしつこいかゆみに数日間悩まされたときもあります。カメムシが飛んでくることもあるし、夜にはガも飛んできます。

いつの間にか膝に登ってきたデカイ毛虫

5. 1番と同じようなものですが、山間部のキャンプ場だと濃霧が生じる(というか実際には雲の中に入る)ことがあります。これが厄介で、オープンタープだと機材がびっしょり濡れる場合があり、これも食事どころではなくなります。

6. タープのカタログを見るとわかりますが、張り綱を考えると設営には広いスペースが必要です。大型のタープだと最低10m x 10m あった方が良いでしょう。私は何も知らずに店員に大型タープを勧められて購入し、小さい区画サイトでは使えないことに気が付きました。

7. 設営は理屈がわかっていれば難しくはないのですが、わかっていないとまともに建てる事すら難しいです。きれいに張らないと雨がたまって倒壊する場合もあります。

8. 基本的には日差しを遮ることができますが、時間の経過により刻々と向きが変わる日差しに対応するのは少々厄介です。いつの間にかクーラーボックスが日当たり良好になっているときもあります。また、ポールを東西方向に配置すると朝日の直射を受ける場合もあります。


オープンタープは用途を選ぶ

というわけで、オープンタープは手軽で開放感もあるけれど、悪天候や虫に弱いので、最悪ご飯はテントの中で食べればいい、とか、経験者同士で行く場合にはよいけれど、初心者を連れて行ったり、飲むのがメインだと厳しいものがあります。

オープンタープは安価でパーツも少ないので初心者向けのような気もしますが、実際にはむしろ経験者向きではないかと思う今日この頃です。



最終兵器、シェルター

シェルターを最初に見た時、正直、こんなもの建てるなら家にいればいいじゃん、と思いました。

だがしかし、キャンプをすればするほど、雨や寒さやしつこいアブ等に苦しめられ、また、リビングダイニングスペースの狭さにも悩み、結局、その巨大さから当初はアホかと思っていたランドロックまで購入してしまいました。

なお、ランドロックやカマボコテント3Lなどの大型テントはここでは事実上のシェルターだとみなしています。実際、両方とも製品ページでシェルターとしての利用方法が紹介されていますし。


我が家の2代目シェルター、コールマンのタフスクリーンタープ400です。

その名の通り、全面がスクリーン(英語で防虫網の意味もある)にもなるシェルターです。スクリーンタープというのはおそらく和製英語でしょう。

次は3代目のシェルター、スノーピークのランドロックです。

これも多くの面がスクリーンになるのでスクリーンタープと呼んでも良いでしょう。

このシェルターは、インナーテントが付属するので巨大テントでもあります。

ただ、私の場合は、手軽さや寒さ対策、リビングダイニングスペースの確保から山岳テントのインナーを合わせることが多いです。

山岳テントのインナーだとシェルター内のスペースを広く取れます。

ちなみに初代シェルターはスノーピークのリビングシェルでした。加水分解したため、タフスクリーンタープ400を購入しました。


シェルターのメリット

シェルターのメリットは次の通りです

  1. 雨に対して鉄壁

  2. 寒さも大幅緩和

  3. 風にも強い

  4. 虫もおおむねブロック

  5. 日差しに対応可能

  6. 設営面積が比較的狭い

1. どんな豪雨だろうと、どんな横殴りの雨だろうと、全く関係なくキャンプを続行できます。むしろ激しい雨音を聞くのが楽しみなくらいです。

2. 風も完全ブロックできますから、寒い季節も比較的暖かく過ごす事ができます。

3. 意外な気もしますが、案外風にも強く、設営さえしてしまえばオープンタープでは厳しい風でも問題なくしのぐことができます。

4. メッシュでアブや蜂をおおむねブロックでき、地面に殺虫剤をまけば蚊やブヨに悩まされることもありません。快適です。

5. 複数面にパネルがあるため、日が差す方向だけパネルを締めればあとは開放することができます。午前、昼、午後と日差しを適切にカットしながら、上の写真のようにそれなりの開放感を得ることができます。

6. 意外な感じもしますが、オープンタープに比べると比較的狭いサイトでも設営可能です。


シェルターの欠点

シェルターの欠点は次の通りです。

  1. 物量が多い
  2. 高額
  3. 乾かすのが大変
  4. 設営撤収に時間がかかる
  5. 強風時の設営撤収が厄介
  6. クローズしていると暑い


1. 幕体に加えてフレームも量があるため、収納サイズが大きく重いです。

2. それゆえにオープンタープより高い傾向があり、製品によっては高額です。

3. 幕体が大きく複雑なため、狭いところで干すのは一苦労です。

4. 巨大なテントなので、やたらペグにロープが必要です。その結果、どうしても設営撤収に時間がかかりがちです。

5. 建ててしまえば風に強いシェルターも、立ち上げる時と倒すときが厄介です。風に持っていかれたり、フレームを曲げる可能性があります。予め要所をペグダウンしたり、パネルを開放するなどの対応が必要な場合があります。

6. テントと同じなので、パネルをクローズしていると暑さを感じます。もっとも真夏の低地でもなければ、通常は何とかなっています。


物量と扱いにくさに妥協できれば快適なキャンプが

重さと大きさ、それゆえの扱いにくさを受け入れることができれば、快適な滞在が可能です。

虫がいなくて天気も良ければ、跳ね上げたパネルの下でオープンタープのような開放感を得ることもできます。

カマボコテント3Mなら75,900円。アメニティドームM(¥52,800)+アメニティタープヘキサLセット(¥34,980)が87,780円なので、むしろ安いくらいです。


中途半端に前室が大きいテントはやめておいた方がいい

私が最初に購入したオートキャンプ用のテントはスノーピークのランドブリーズ4 LX でした。

4人用のインナーに、インナーテントより大きな前室を持ついわゆる2ルームテントで、これならタープもいらず、比較的安価でコンパクトで最高!、と思って買いました。

ところが実際には、リビングにしては狭すぎるし、骨組みは複雑、フライをはずさないとインナーを畳めないから設営撤収時の雨も厄介、インナーテントも変形していて使いずらいと、いいとこなしでした。

そのため結局リビングシェルを買うことになりました。そのリビングシェルも二人で使う分にはいいけれど、友人とキャンプをするには手狭だったため、買い替えの際にタフスクリーンタープ、ランドロックとエスカレートしていきました。

用途に応じて十分なサイズを検討した方が良さそうです。

サイズ感は次の動画が参考になりそうです。

【貴重‼︎】カマボコテント3サイズ比較♪S・M・Lチャレンジ!!!!

カマボコテントとランドロックがドッキング!?


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