雨の日のキャンプの設営と撤収

雨の日の設営撤収は嫌なものです。でも、キャンプを長く続けていれば天候の急変等でやらざるを得ない時もやってきます。

特に山のキャンプの場合、平野は青空が出ているけれど、山の上の方だけ雨雲をかぶっていることもあります。こうなると天気予報はあてにならないです。

そんなわけで、雨の日のキャンプについて書いてみようと思います。


準備編

タープやシェルターを用意する

2023/3/12 追記

そもそもの話として、タープやシェルターの用意を書くべきでした。


土サイトはやめとく

土サイトのキャンプ場で、雨の日にキャンプをするのは、想像しただけで恐ろしいです。実際知人はスクリーンタープを泥だらけにして帰ったそうです。

晴れている日でも土サイトは機材が汚れやすいので、私は普段から避けています。


長くて丈夫なペグを用意する

雨の日のペグは驚くほど簡単に抜けます。長い鉄ペグでもスッと抜けてきます。

そんなときに強風が吹いたらたまりません。強風で抜けた鉄ペグは凶器にもなります。張り綱をしっかり固定できるペグを用意しましょう。

私は、テントの張り綱にはスノーピークのソリッドステーク30cmを使っています。タープのメインロープのペグにはソリッドステークの40cmを使っています。

なお、よく「張り綱」に対して垂直にペグを打ち込むと書いてあります。しかし、経験上は斜めに打つと抜けやすい(土が割れやすい)ので、私は「地面」に対して垂直に打ち込んでいます。


大きくて丈夫なポリ袋を用意する

雨に濡れたタープやテントをそのまま車に積むわけにはいきません。タープやテントを収納するポリ袋が必要です。

雨の中でぬれたタープやテントを丁寧にたたむことは難しいので、十分に大きなサイズのポリ袋を買っておきましょう。穴が開いて、家に帰ったら漏れてましたということがないように丈夫なものがよいです。


防水シューズを用意する

2020/07/28

肝心の事を忘れていました。キャンプ場に行くと、サイトが雨でぐっしょりとなっている場合や、水たまりができている場合もあります。サイトが大丈夫でも場内の道路に深い水たまりができているところもあります。

長靴やトレッキングシューズなど、防水のシューズを用意すると安心です。


レインウェアを用意する

雨の中で傘を差しながら作業するのは難しいです。レインウェアを用意しましょう。

ビニールなどの透湿性のないものは結局汗で濡れてしまうので透湿性のあるゴアテックスが快適です。防水透湿素材によっては透湿性能が悪いものがあるのでゴアテックスが安心です。テストを通過した製品だけがGORE-TEXを名乗れるようです。


荷物をまとめて運べるバッグを用意する

晴れた日なら寝袋などを一個一個運んでも構わないでしょう。

でも、雨の日は濡れてしまうので、テント内のものをまとめて持ち運びできるバッグがあると便利です。家と車の往復も少なくなります。


車の荷室に敷くシートを用意する

気を付けていても道具は雨に濡れてしまいます。荷室をぬらさないように、シートがあると便利です。私はいつも車に専用のグランドシートを敷いています。グランドシートはラゲージの汚れや傷の防止にもなります。

雨の日は荷物を抑える

雨の日はタープやテントの生地同士がくっつくし、時間的な余裕がないためきれいにたためず、テントやタープ等の容量が膨らみます。

それに備えて、車の荷物を少なめにしておいた方が良いでしょう。さもないと誰かをキャンプ場に置き去りにしなくてはいけなくなるかもしれません。


スタンドを使う

キャンプを始めた当初は、グランドシートを敷いてその上にキャンプ道具を置いていました。しかし、気が付いたらシートに雨が浸水していたり、場所が悪くて移動したくても荷物が載っていて動かすのが大変でした。

それなので、現在はベンチや小型の椅子を買って、その上にクーラーボックスを始めとする道具を置くようにしています。これならどれだけ雨が降っても平気だし、簡単に移動もできます。(ベンチは物を載せた状態で移動できる構造のものにする必要があります)


防水のバッグを用意しておく

私が着替えなどを入れているのはThe North Faceの防水ダッフルバッグです。多少の雨では、中のものは濡れません。車とテント間の荷物の移動の際安心です。ただ、これはよほどの土砂降りでもなければ、それほど重要ではないです。

追記:防水バッグにすると加水分解の問題が起こりうるので普通のバッグでよいかもしれません。

吊り下げ式のテントを検討する

テントには、インナーテントを張ってからフライをかぶせるタイプと、フライを張ってからインナーをフライに吊り下げるタイプがあります。雨の日に簡単なのは吊り下げ式です。

初めて雨の中の撤収をしたとき、吊り下げ式テントの人たちがゆうゆうとインナーテントを回収するのを見て、うらやましく思いました。

とはいえ、常に雨の中でキャンプをするわけではないので、検討材料の一つというところです。実際に、その後一回吊り下げを買いましたが、その後は普通のドームテントに戻っています。

設営編

くぼ地のサイトはやめとく

サイトによっては明らかにへこんでいるところがあります。そういうところで雨が降れば結果は容易に想像ができます。水たまりになるようなサイトは避けたほうが良いでしょう。

この点については普段は不便な傾斜サイトも水がたまらないというメリットがあります。

撤収時を考える

機材を雨で濡らさないためには、テントから車への移動距離をできるだけ短くする必要があります。車の荷室をできるだけ近づけやすくテントやタープの位置や向きを調整した方が良いです。

キャンプの教科書には、風の向きを考えて設営すべしと書かれています。しかし、実際には風向きは刻々と変わる事が多いし、ヘキサタープで風を防ぐのは容易ではありません。それより機能性と眺めを優先させた方が良いと思っています。

テントから建てる

これから寝るテントを濡らしたい方はいないでしょう。なので、私は天候の悪い現地に着いたら、まず最初にテントの設営に取り掛かります。そして、寝袋や着替えなど濡れたら嫌なものをテントに入れます。

雨がたまらないように設営

タープを張る際に、雨の流れる経路を設けてないとそこに水がたまり、最悪タープ倒壊の原因になります。

それを避けるには、タープをたるまないようにきれいに張ります。キャノピーには水が流れるようにロープを追加します。

赤丸の部分にロープを追加して流れを作ります

しばしばレクタタープで雨がたまって倒壊しかけているのを見るので、水がたまるような場所がないかよくチェックしましょう。

撤収編

小ぶりの時に撤収する

私はYahoo!の雨雲レーダーを使って小ぶりの時を見計らって撤収しています。とはいえ、雨雲は刻々と変わるので完全というわけではありません。

特に山間部は天候が変わりやすいので、小ぶりの時を見計らって作業した方が良いと思います。

テントから撤収する

寝袋や着替えなど、テントには濡らしたくないものが色々あると思うので、テントから撤収した方が良いと思います。

車をテントやタープにつける

できるだけ車をタープに寄せて移動距離を少なくします。



テントやタープは空中で畳む

テントやタープは同行者と協力して、地面につけずに空中で畳むようにします。地面につけると泥や草や虫がついてきます。空中で畳む方法は予めイメージトレーニングするか晴れている時に練習しておくとよいでしょう。

テントを仮置きするテーブルを用意する

空中で畳み切るのが難しい場合には、上の写真のように、テーブルを用意しておき、下の写真のように、その上にテントやタープを置いてから畳みます。

テントをテーブルに置き、畳んでからビニール袋に入れます。
上の光っているのはビニール袋

荷物を宅配することも考える

雨の時には荷物が膨らみがちです。場合によっては全員が車に乗れないことも。

そんなときには荷物を宅配便で送ることも考えましょう。

キャンプ場にテント乾燥サービスがあればそれを利用するのも一つでしょう。

帰宅編

テントやタープを干す

家に着いたらすぐにタープやテントを干します。濡れたまま放置すれば、悪臭やカビの原因になります。

干す場所は家次第です。賃貸アパートのうちでは、まずは浴室で乾かし、水がたれなくなったらリビングに持っていってさらに乾燥させています。

次の写真では、浴室に備え付けのポールに干しています。テント本体やタープは一発では乾かないと思うので、適宜ひっくり返します。


干していると虫やらゴミやら土やら出てくるので、最初は汚れてもいい場所で干した方が良いです。

他の機材も干す

椅子やベンチなども濡れたり湿っているので、しばらくリビング等で干してから物置や押し入れに収納することをお勧めします。前回キャンプした際には、ケースに入れたままの椅子が、二三日たっても湿っていたのには驚きました。

雨の日のキャンプ

キャンプを始めたころに、キャンプ場のショップのレジに並んでいたところ、後ろに並んでいた親子の子供が言いました「お母さん、なんちゃってキャンパーってなあに?」。お母さん曰く「雨の日はキャンプをやらない人たちの事よ」。そうか、雨の日にキャンプをやらないと、なんちゃってキャンパーと言われるのか、と思いました。

それはともかく、最初に書いたようにキャンプをしていればいずれは雨に遭遇します。雨に対する備えをしておけば憂いなしです。

以前行ったキャンプ場では隣のサイトの家族はタープなしでした。振り出した雨の中ご飯を食べる姿は気の毒以外の何物でもありませんでした。

晴れの予報が出ていても天気は急変する事があります。裏磐梯キャンプ場の場合、猪苗代湖は青空なのに、キャンプ場がある山の上は雨雲をかぶっているなんてこともあります。というか、いつ行っても雲がかかっている気がします。

私は案外雨の日のキャンプは嫌いでもありません。豪雨の中、タープやテントを雨が叩く音を聞くと、自然を克服して野営しているという気分になれるし、タープの中から激しい雨を見ていると安心感のようなものさえ感じます。

元々私がキャンプを始めた理由の一つには、災害時や非常時への備えというものがあるからかもしれません。


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