DENON PMA-A110 はエージング中

 実家の母のために、DENONのPMA-A110を買ってみました。

DENON PMA-A110を購入

実家で開梱し、早速鳴らしてみました。構成は次の通りです。

CD: DENON DCD-1500SE 2010年発売らしい、購入したのがいつかは未確認
アンプ: DENON PMA-A110 (旧アンプは サンスイ AU-X111 MOS Vintage)
スピーカー: 長岡鉄男設計 スーパースワン

視聴に使ったのは、TELARC、BIS、などのクラシックや現代音楽のCDです。


ファーストインプレッション

ファーストインプレッションは、レンジが狭いし、音場も狭くて、音に輝きもなくて、モノラル音源か!?、と思う位しょぼい音でした。一緒に聞いていた妻も母も顔を見合わせていました。母曰く「前の方がいいわあ」

それでも、昔、山水の AU-α907やAU-X111 MOS Vintageを最初に鳴らした時もこういう感じだったので、失敗したとは思いませんでした。907や111はその後どんどん音が良くなり、111は今に至っています。

ちなみに、オーディオ屋をやめて何年も経ってから店に遊びに行ったところ、当時評判の高かった SONY のアンプ(トロイダルトランスを積んだモデルなので、多分TA-FA5ES)を貸してくれるという事だったので、店の人と一緒に実家に行き、111と交換して音を鳴らしたところ、今回のようにレンジも音場も狭い音がして愕然としました。

今どきのアンプはこんなに音が悪いのか、とあの時は思ったけれど、今にして思うとあれもエージングで何とかなったのかもしれません。


アンプのDACを使用

DCD-1500SEからの出力をアナログからオーディオテクニカの光ケーブルAT-OPX1/1.0に変えたところ、音がガラッと変わりだいぶ良くなりました。

1500SEも随分経っているので、DACは古いしアナログ回路もヘタっていたのかもしれません。CDのトレイが劣化してべたついているくらいでしたから。

そして、アナログ回路はアンプの物に比べて元々しょぼかったのかもしれません。

光デジタルに変えた結果、音に生々しさが出てきて、これはこれでアリという位にはなりました。

でも、相変わらず音場は狭く、音が小さいと細かい音が聞こえてきません。


スピーカーケーブルをAT-SS2300に交換

それまで使っていた(多分)オヤイデ電機のビニルキャブタイヤケーブルから、オーディオテクニカの1メートルあたり2,750円するAT-SS2300に交換。セールスポイントは次の通り。

反転撚り構造でインダクタンスを低減、高解像度を追求。
音質に定評のあるPE絶縁体を採用。
鉛フリーPVCシース採用。
接続しやすいツイスト構造。

暖気のために音楽を掛けたまま放置して家族と宴会。

戻ってきて視聴したところ、劇的に音が変わって、音場も大分広がり、小さい音でもいい感じになりました。(飲んでない)母も妻も驚いて何を変えたのと聞かれました。暖気が効いてるのかケーブル交換が効いてるのか不明。

とはいえ、じゃあSS2300を使って111で鳴らしたらどうなるのか、というのは恐ろしくて考えないことにしました。


キャブタイヤケーブルはほったらかしだったので、線もとっくに酸化していた事でしょう。本来は定期的に酸化した部分を切り詰めて、酸化していない部分を使う必要があります。

SS2300の構造はキャブタイヤケーブルに似たようなもので、線材はキャブタイヤケーブルに比べるとかなり細くて柔らかいものが多数使われていました。細くて柔らかい方が、接触面積の面で有利だと思います。ただ、その分酸化が進みやすいと思いますが。


昔働いていたオーディオショップでは、アンプよりもスピーカーケーブルを替えた方が音は変わると言われていました。今回はアンプの音の違いもかなりだったので、そうとは言えないものの、大幅に変わりました。


belkin SOUNDFORM™ CONNECT

今回持って行った秘密兵器、belkin のAirPlay2 対応デバイス SOUNDFORM CONNECT。

親のiPhone 12 Pro Maxと接続して、光ケーブルでアンプとつないで再生してみたところ、全然ダメ。

まるでラジカセやミニコンポといったショボいサウンドで、話になりませんでした。母に至っては笑って吹き出している始末。

BelkinのAirPlay 2対応オーディオアダプターは、16ビット、サンプルレート44,100 Hz(44.1 kHz)の解像度(CD音質)に対応しています。

という事ですが、CDとは比較にならない低音質で、なぜこれほどまでにとショックを受けました。

AirPlayはBluetoothと違ってWi-Fiだからロスレスなのでは、と思っていただけに??でした。

そこで、今検索して見ると次の記事がヒットします。

AirplayでApple Musicはロスレス再生されるのか

Apple の Air Play はロッシーな AAC で接続しているようです

む~ん、soundform connect には AAC で転送されているのかもしれない。

iOSとMacデバイス用の Belkin SOUNDFORMアプリがあれば、複数の部屋で音楽を聴くことができます。自動、またはマニュアル操作でAirPlay対応のスピーカーの音質の調整、周波数の調整、同期が行えます。

と書かれているので、試しに Belkin Soundform アプリを入れて接続してみたけれど、設定できるのは同期程度でどうにもこうにもなりませんでした。ここでプロトコル選択できるなら良かったのだけれど。

とりあえずsoundform connectはあきらめて、丁度妻がMacBook Airを買い替えるので、古い方を実家にもっていき、USBでDACに接続することにしました。これをテストするのは、3月以降になる事でしょう。


2024-01-25 追記

もしかして、母のiPhoneのロスレスが無効だったのでは? と思い、先ほど母のiPhoneの設定を確認したところ有効でした。


光から同軸ケーブル

アンプを換えた翌日、ヨドバシからオーディオテクニカのゴールドリンク同軸ケーブルAT594D/1.0が届いたので、早速光ケーブルと交換してみました。

その結果、明らかに良くなったと感じました。さらに音にリアリティが増し、音場も広くなった感じです。母や妻も音を聞いて何を変えたの?といいます。

昔は光より同軸の方が良いと言われていたけれど、今は技術の進歩で差はなくなっているのでは?と思っていたけれど、いまだにこんな差があるとは。

当時言われていたのは、光は変換ロスがある代わりに、プレーヤーとアンプ間のデジタルノイズが遮断されるというものでした。

今回CDプレーヤーとsoundform connectで光ケーブルを使ってみて思ったけれど、光は根本的に良くないのかもしれません。

インターネットや無線LANなどITのデータ伝送では、データがロスしたときには再送する仕組みがあります。そうでないとWordが文字化けしたり、Excelの数値がおかしくなったりします。

CDが作られた当時から使われているデジタルデータ伝送が、ロスしたら適当に補正されるだけでロスしっぱなしなら、そりゃ音も悪くなるでしょうね、というわけです。当時の技術レベルを考えるとロスレスの通信方法ではない気がします。

試しに検索したら、やはり再送はしないと書かれています。

データは送り側から受け側へ常に一方通行で転送される。そのためデータ転送時にエラーが起きた場合、パリティによる誤り検知はされるが再送は行われない。

S/PDIF Wikipedia

同軸の場合は、光変換をしない分だけデータロスが少ないのかもしれません。

光ケーブルそのものが悪いわけではなく(フレッツなどの光通信は問題ありません)、光を使った際の送受信方法に問題があるというわけです。


SOURCE DIRECTが予想外に効く

母が高音を変えられないかというので、TREBLEつまみを調整すれば変えられると言いながら、操作した後、SOURCE DIRECTボタンがあるのに気が付いて、試しに押したところ、押したとたんに大分音が良くなりました。レンジが広がるような印象で、聴いていた母も押した瞬間音が広がる感じがしたと言います。

正直、この手の機能は期待していなかったのですが、こんなに音が変わるとは思っていませんでした。昔より私の耳が良くなったのか、昔よりTREBLE等の回路がしょぼくなって劣化しやすくなったのか…

TREBLEで調整するより、SOURCE DIRECTの方が音がいいという事になり、そちらで行くことになりました。


色々やってみて

とまあ、今回久々にオーディオをやってみた結果、思いのほかそれぞれの違いが大きくて出て驚きました。試すたびにガラガラと音が変わるという印象です。


DCD-1500SE アナログ出力 + AU-X111 + キャブタイやケーブル + スワンの組み合わせと、DCD-1500SE 同軸出力 + PMA-A110 + AT-SS2300 + スワンの組み合わせを比較した場合、X111の方が音場が広く、弦の音の細かい違いが判る気がします。

A110の場合は、音のリアリティという面ではX111より上のような気もしますが、音場の広さはX111に負けていると感じました。

逆にX111は以前から弦やメゾソプラノの高く大きい音がした時に耳に響くような嫌な感じがしていましたが、A110はそれを感じず安心して聞けました。

それぞれ一長一短がある印象です。

このあと、A110の音場が広くなれば、そのまま続投の可能性もあります。


今後の予定

今後試してみるのは、MacBook Air からの USB 出力と、CDプレーヤーのDCD-1700SEへのリプレースです。

MacBook Air からUSB接続だとさすがにデータロスはないだろうと思っています。これがうまくいけば、一気に再生可能な曲が増えます。CDより音が良くなるという期待も。

DCD-1500SEは、CDトレイがペタ付いていて、読めないCDも何枚かあるようです。CDの劣化という可能性もありますが、プレーヤーの光学系も劣化しているのでしょう。


AU-X111はいいアンプだった

色々試してみて、もう寿命かと思っていたX111がいまだに使えそう、というかある面では、A110を超えているのには驚きました。

昔のメールをひっくり返していたら、どうやら2005年くらいに一回壊れて、サンスイに紹介された新潟の業者で直してもらっているらしい。その際に半田のやり直し等も行ってもらったようです。

そのため、X111は買ったまんまというわけではありませんでした。

とはいえ、それでもそれから既にほぼ20年が経過しているので、劣化していても不思議はないなと思いました。


三月に帰省して、再度アンプを交換して、どちらが良いのか母に判断してもらう予定です。


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