BCG接種がコロナウィルスに効果があるのかもしれない

Yahoo!ニュースのコロナ記事のコメントを見ていたら、BCGについて書いている人がいました。何それと思って検索してみたところ次の記事がヒット。

アゴラ: 日本型BCGで新型コロナの免疫ができる?
http://agora-web.jp/archives/2045075.html

ジョンズホプキンス大学のBCGワクチンポリシー地図で、BCGのワクチン接種を行っている国は患者が少なく、そうでない国は患者が多いというものです。

ワクチンポリシー

ジョンズ・ホプキンス大学のBCGワクチンポリシー地図

A: ワクチン接種制度がある国
B: かつてあった国
C: 一度もなかった国

過去7日間の感染者数

ニューヨークタイムズの過去七日間の感染者マップと比べると、確かに驚くほど一致しています。


特に、丸で囲ったアイルランド、ポルトガル、エクアドルを見ると顕著です。ワクチン接種を行っているアイルランドとポルトガルは周囲の国より感染者が少なく、接種していないエクアドルは多く発生しています。

ポルトガルとアイルランドは人口が少ないからと思われるかもしれませんが、人口に対する死者の比率は明らかに低いです。

国名 人口 死者数
スペイン 4666万人 5982人
ポルトガル 1029万人 100人
アイルランド 483万人 36人

ブラジルなど例外があるのは、人口が多いとか、菌の株が違うからかもしれません。

4/5追記 その後、10万人当たりの感染者数(Per capita)という地図も追加されました。これを見ると、ますます上のポリシー地図と一致してきて、いやもうこれBCGでしょ、という状態になっています。
BCGの接種をしていても、例外的に多い国はあります。しかし、接種していない国は漏れなく周辺国よりも感染者数が多い状態です。

BCGの株について

WikipediaのBCGの説明を読むと次のことがわかります。
  • フランスのパスツール研究所の研究者であったアルベール・カルメットとカミーユ・ゲランが、ウシ型の結核菌からBCGの元になる菌株を作製。
     
  • 日本では直接カルメットから分与された菌株(日本株)に由来する、BCG Tokyo172株が導入された。
     
  • ワクチン効果のばらつきには、BCG株が各国で培養を繰り返されているうちに変異して、有効性を失った株が使用されていた可能性が指摘されている。
     
  • 近年では、より元のパスツール株に近く、予防効果があるという結果を示しているBCG株を、WHOが選択収集して各国に配布している。

日本BCG研究所のBCGワクチンの国際参照品制定とWHO基準改定についてを読むと、
2010年に日本株Tokyo 172- 1 とDanish1331が,続いて2011年にロシア株BCG-IがWHO専門委員会によって「国際参照試薬」に認定されたと書かれています。

アゴラの記事では、イランはイラン製の株を使っているということです。これがコロナに対して(もしかしたら結核菌に対しても)効果が少ないのかもしれません。

BCG接種による感染者推移

日経新聞の「新型コロナウイルス感染 世界マップ」ページにある推移グラフを見ても、ワクチン接種ポリシーによる各国の違いは鮮明です。


ワクチン接種をしていない米国、イタリア、スペインは急激に増え、接種しているけれど独自株のイラン(人口8116万人)はそれほどひどくはなく、日本と韓国は抑えられています。

フランスの場合

こちらのブログではフランスは2007年まで全員対象だったと書かれています。でもフランスって結構感染者が出ていたと思うけどと、前述の日経のページを見てみたところ次の通りでした。


丸の中の数字は私が書き加えた人口です。やはり人口の割には感染者数が少ないようです。抑えきれていないのは、接種を受けていない子供たちから広がっているか、他国との往来が多いためかもしれません。

ワクチンの年齢別効果

厚生労働省のサイトによると「一度BCGワクチンを接種すれば、その効果は10~15年程度続くと考えられています。」ということです。

東洋経済の新型コロナウイルス国内感染の状況ページにある年齢別グラフを見ても整合性が取れます。

ワクチン効果があると思われる10代までは歴然と少なく、そのあとだんだん増えています。60代以降が少ないのは仕事をしていない人がいるため人と接触する機会が少ないからかもしれません。

Wikipediaによると「日本では、1951年に結核予防法が成立し強制的な接種が行われるようになった」ということです。ってことは強制接種を受けているのは現在69歳より下の人たちってことになります(当時は0歳では受けていないと思うのでもっと若い)。

上のグラフを見ても、これまた納得です。70代以降、感染者数は少なくなっているのに、急に死者が増えているのはもしかしたらこの影響があるのかもしれません。

Wikipediaには次のようにも書かれています。

「弱毒生菌ワクチン(生ワクチン)には、他のタイプのワクチン(死菌ワクチンや成分ワクチン)とは異なり、
  1. 弱毒性の微生物が体内に定着しうる
  2. ウイルスや細胞内寄生体が実際に細胞内に感染を起こしうる
という特徴がある。このため、
  1. 効果が半永久的に持続する
  2. 死菌ワクチンでは誘導できない細胞性免疫(マクロファージや細胞傷害性T細胞などによる免疫。細胞内感染の排除に必要)が誘導可能である
という利点がある。」

BCG株マップ

大隅典子の仙台通信というサイトにBCGの株に関する地図が載っていました。

これを見ると、イレギュラーと思われたブラジルは独自株のようです。また、今朝(3/30)のワールドニュースを見ているとブラジルでは大統領が単なる風邪とか言っていて全く何も対策を取っていないようです。

最初にブレイクした中国も独自株です。

隣の韓国は複数混合。

興味深いです。

日本の見通しは暗くはないかもしれない

大胆な封鎖を行った中国はともかく、韓国で宗教団体から大量の感染者が出た時にはもうこれは収拾がつかずだめだろうと思っていました。

しかし、意外なことにその後収束し、新規感染者が出てはいるものの何とかなっています。

イタリアやスペインの悲惨な状況を見ていて、日本も医療崩壊が起こるんじゃないかと心配していました。

しかし、BCG説が正しければ、一部で流行したとしても韓国同様抑え込むことはできそうです。場合によっては中国のように終息させることも可能かもしれません。

そう思うと、日本についてはそれほど悲観しなくてもよいのかもしれません。また、50代以下については死者や重症者は極端に少ないので、いたずらに恐れる必要はなさそうです。

とはいえ、高齢者の中には重症者や死者も出ているので、当面の間、人との接触はできるだけ避けたほうがよさそうです。

逆に大変なのは米英

イギリスの感染はイタリアの2,3週間遅れという記事を読みました。イギリスではジョンソン首相やチャールズ皇太子も感染し、これからイタリア並みにひどくなっていくことが予想されていました。同様に、アメリカも引き続き大流行が予想されます。

欧米以外が何とかなっても世界経済への打撃は大きく、当然日本の景気にも跳ね返ってきます。欧米の早い終息を願っています。

スウェーデンの場合

今朝(4/1)のワールドニュースで、スウェーデンの状況が流れていました。スウェーデンでは、他の欧米諸国のような規制はしておらず、街中は平常通りです。それに対してほかのヨーロッパ諸国から批判が出ているということでした。

スウェーデンのBCG状況はどうなっているんだろうと思って検索してみたところ、「今後のBCG接種政策
――スウェーデンの経験に学ぶ」という文書がありました。

それによると次の通りです。
  • 1940年以来,新生児全員,そして 7 歳児と15歳のツベルクリン反応陰性の小児にそれぞれ接種
  • 7 歳児への再接種は1965年に,15歳児については1986年にそれぞれ廃止
  • 1975年「リスク集団」を除いた一般集団への集団接種は廃止
つまり45歳から80歳までの人はある程度の免疫を持っている可能性があるということになります。これが致命的な問題を引き起こさない理由かもしれません。

成人の接種はやめたほうがいい

4/11追記
BCGを誤って皮下注射し、発熱やじんましん、血尿などの健康被害が出たそうです。

なるほど、だからハンコ注射で、ちょっとだけ皮膚に傷をつけるんですね。
フランスではBCGは皮下注射だとブログに書いている人がいたけれど、普段打ったことがない現地の医者は知らないのでは…

なるほど、潰瘍や膿瘍が発生して痕を残すことがないように現在のハンコ注射になったんですね。


私自身はBCGのお陰で欧米以外の国はこの程度で済んでいると思っています。
だからといって今からBCGを再度接種しようとはまったく思っていません。
上の年齢別グラフを見てわかるように、日本の場合既に50代以下はまず死なないからです。
(現在、50代や60代の死者は少し増えていますが、おそらく糖尿病や高血圧などハイリスクの方たちでしょう)

逆に、データがない成人が打てばどういう症状が現れるかわかりません。
私は以前アフリカ旅行のために黄熱病ワクチンの予防接種を受けました。
打ってから数日間、目の痛みや倦怠感に悩まされ、これ一生続いたらどうしようと不安になりました。
ワクチンは打たなくて済むなら打たないほうが良いと思っています。

コロナウィルスは日本の場合、欧米のように恐ろしい病ではありません。
恐ろしいのは感染者数増加による医療崩壊と経済へのダメージです。
医療崩壊を起こせば盲腸や交通事故の人も手当てされず死んでしまいます。
コロナウィルスの重症者も死ぬ恐れがでてきます。
感染者数が増えて経済ダメージが深刻化すれば、倒産する企業が増え、生活が脅かされ、自殺する人も出てきます。
だから感染者数を増やさないために自粛が必要なんです。
みんながこれまでの生活を送りたければ自粛して感染者数を増やさないことが必要です。

BCG接種に伴う各国死者数の違い

次のサイトでは、感染者や死者がある一定数を超えた時を起点とする対数グラフを表示できます。

対数グラフは大きい数を圧縮する効果があるため、感染者数の違いを吸収し、各国の増加具合を比較しやすくなります。
50人を起点として各国死者数をグラフ化してみました。


接種していない米英仏伊スペインは急激な増加。
接種している日韓は明らかに少ないです。

接種しているポルトガルとアイルランドが日韓より多いのは周辺国の影響でしょうか。EU域内は移動が自由なので、各国からの流入によるのかもしれません。

中国は接種していますが独自ワクチンで、流行初期に4万人大宴会を開いていたそうです。
ブラジルも同じく独自ワクチンで、大統領がコロナはただの風邪だと言い無策のようです。

日韓についても無策ならそれ相応の増加を示す可能性がありそうです。
やはり自粛が求められます。

ロシアを見てみました

ロシアがやばいというニュースを見たので、例によって、50人を起点とすると対数グラフを見てみました。


ポルトガルやアイルランドと同じカーブを描いています。
何かの理由がなければこうはならないと思います。

ついでに中国、ブラジル、トルコも加えてみました。

いやなんか、ここまできれいに分かれると、逆に他に原因があるんじゃないかという気さえしてきます。
なんで、体制も文化も違う国でこれほどきれいにパターンが分かれるのか…
それともBCG株の違いによる影響なのか…

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